英語多読に。おすすめの洋書ペーパーバック 中上級向け

中級・上級レベルの英語多読の本選びに。実際に読んで面白かった、内容が良かったと思う洋書のレベル別お薦めタイトル紹介 中上級者向け編です。
このページでは、大人でも十分に読み応えのある児童書から、充実した読書を楽しめる一般向けのペーパーバック小説まで、おもに英語学習者中級〜上級向けレベルのおすすめ洋書を並べています。多読による英語学習などで読む本を探す際の、ひとつの参考としてご利用ください。


英語の児童書、ティーンズ向け小説

児童書の中でもネイティブスピーカーの小学校高学年、中学生くらいを対象とした読み応えのあるものと、高校生くらいからの若者を対象にしたヤングアダルトと呼ばれるカテゴリーのおすすめ洋書小説です。
ファンタジーなどでの独特な言葉・造語は別にして、難しい専門用語や語句はまだあまり出て来ませんが、英文自体の難易度レベルは一般向け小説とほとんど変わりありません。
ヤングアダルト向け(ここではティーンズ向けと表記)は、児童書に比べると恋愛要素が増えているのが特徴。近年ではパラノーマルロマンスと呼ばれる、超常能力とロマンスをテーマとした現代型ファンタジー系のジャンルが特に人気を得ています。
もっと短くて易しい児童書については初級者向け洋書リストのほうをご覧ください。

大人気児童書 Diary of a Wimpy Kid

 Diary of a Wimpy Kid

Jeff Kinney (著)  ; 総語数 約 18,000語

《 ジャンル、テーマ 》 児童書,日記,ユーモア,日常生活


アメリカで大人気の『グレッグのダメ日記』シリーズ。中学校に入ったばかりの主人公 Greg が綴る日記(コマ漫画風イラストつき)の形式で、子供から大人まで笑って楽しめる内容になっています。 初中級者向けなのですが、アメリカの中学生事情だけでなく、イディオムやくだけた日常表現も詰まっていて、英語の勉強にも意外とおすすめなので、このページでもご紹介。

少年弁護士 Theodore Boone

Theodore Boone: Kid Lawyer

 Theodore Boone: Kid Lawyer

John Grisham (著) : 総語数 約 57,000語

《 ジャンル、テーマ 》 児童書,法廷サスペンス,ミステリー


弁護士一家に育った Theodore はクラスメイトの困りごとの相談にのったりしている裁判好きな弁護士志望の少年。街では今、世間の注目を集める殺人事件の裁判が行われていて・・・。法廷サスペンスの名手として知られる人気作家 John Grisham による少年少女向けのシリーズ作品。裁判関係の用語やシステムがわかりやすく書かれているので、法廷もの洋書の入門にお薦めです。ストーリー展開が結末も含めて現実的なほうなので、物語としての盛り上がりにはやや欠けるかもしれません。『少年弁護士セオの事件簿』のタイトルで翻訳もされています。

ハウルの動く城の原作 Howl's Moving Castle

Howl's Moving Castle(ペーパーバック)

 Howl's Moving Castle

Diana Wynne Jones(著) ; 総語数 約 75,000語

《 ジャンル、テーマ 》 児童書,魔法,ファンタジー,ロマンス


スタジオジブリの宮崎駿アニメ『ハウルの動く城』の原作となったイギリスの名作ファンタジー。でも、ストーリーはかなり違っています。 カカシの謎など、アニメでは意味不明な部分が気になる人は、伏線や謎解きもきっちりまとめられていて読後感すっきりな原書をぜひ手に取ってみてください。少々入り組んだお話もアニメを思い浮かべながらなら読みやすいはずです。

世界的ベストセラー Harry Potter シリーズ

Harry Potter and the Philosopher's Stone

 Harry Potter and the Philosopher's Stone

J.K. Rowling (著)  : 総語数 約 77,000語

《 ジャンル、テーマ 》 児童書,ファンタジー,魔法,冒険,ミステリー


ご存知、世界的大ヒットベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズの第一巻。
児童書とはいえ難しい単語も結構使われていますが、面白さはお墨付き。多くの伏線が張られた謎解き要素いっぱいのファンタジーです。かなりの長編シリーズで第4巻からは20万語レベルの分厚さになります。シリーズ全巻読破すれば、どんな長編小説も怖くなくなることうけあい。

赤毛のアンの原書 Anne of Green Gables

Anne of Green Gables

 Anne of Green Gables

L. Montgomery (著) : 総語数 約 102,000語

《 ジャンル、テーマ 》 児童文学,名作,ハートウォーミング,成長


世界中で愛され続ける永遠の名作『赤毛のアン』の原書。 もちろん、物語の面白さは英語でも日本語でも変わることはありません。
児童文学に区分けしていますが、状況描写などで難しい単語が使われていることや表現が古めかしいことから、一般ペーパーバックと変わらない難易度となっています。 出版別に多くの版があるので、いろいろと比較してみて自分の気に入った表紙のものを選ぶと良いでしょう。版権切れ作品なので電子書籍版なら無料か非常に低価格で入手できます。(無料で読める名作児童文学一覧リスト

爽やかなロードノベル Rules of the Road

Rules of the Road

 Rules of the Road

Joan Bauer (著)  ; 総語数 約 43,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,ロードノベル,家族,成長,感動


家庭に問題を抱える主人公の女子高校生 Jenna が、アルバイト先の靴チェーン店の女社長の運転手としてテキサスへ行くことになり、旅路を通して成長する姿を爽やかに描いた一冊。ロードムービー的なお話が好きな人には特におすすめです。 邦題は『靴を売るシンデレラ』。

How to be Popular

 How to be Popular

Meg Cabot (著)  ; 総語数 約 57,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,学園生活,ロマンス


アメリカの人気作家 Meg Cabot の作品。偶然見つけた一冊の本をきっかけに、冴えない女子高校生 Steph が学園の人気者になるために奮闘、成長していく爽快な学園サクセスストーリー。 読後感も明るくすっきり爽やかな一冊です。

メグ・キャボットの代表作 The Princess Diaries

The Princess Diaries

 The Princess Diaries

Meg Cabot (著)  ; 総語数 約 58,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,日記,ロマンス,ユーモア


フツーの女の子だと思っていたのに、ある日突然、自分がとある国の王女だと知らされて・・・。『プリティ・プリンセス』のタイトルで映画化もされた Meg Cabot の代表作。物語はすべて主人公の女子高生 Mia の日記形式で書かれています。like などの英語の若者言葉の使い方に慣れるのがちょっと大変かも? ちなみに、algebra は ”代数”です。

ライトノベル風洋書 The Mediator シリーズ

Shadowland (The Mediator #1)

 Shadowland (The Mediator #1)

Meg Cabot (著)  ; 総語数 約 57,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,学園,ホラー(?),ゴーストハント,ロマンス


立て続けですがこちらも Meg Cabot 。ゴーストが見えて会話も出来る能力を持つ女子高校生が活躍する The Mediator シリーズの第一巻。 日本のライトノベルのような、ホラーというには明るく軽めな幽霊退治&ロマンスです。

近未来SFサバイバル The Hunger Games

The Hunger Games

 The Hunger Games

Suzanne Collins (著)  : 総語数 約 99,500語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,SFファンタジー,サバイバル,アクション,ロマンス


舞台はディストピア的近未来。少年少女たちが殺し合うサバイバルゲーム「ハンガー・ゲーム」で、16才の少女 Katniss が生き残りをかけて戦う・・・。
あのスティーヴン・キングが絶賛したという若者向けSFファンタジーのベストセラー三部作。大人気なのも納得の面白さで、最後まで勢いで一気に読ませます。ただ、第1巻に比べると、第2巻、3巻と巻を重ねるにつれイマイチ乗れず気味だった感も。

ベストセラー吸血鬼ロマンス The Twilight

Twilight (The Twilight Saga)

 Twilight (The Twilight Saga)

Stephenie Meyer (著)  ; 総語数 約 115,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ティーンズ,パラノーマルロマンス,アーバンファンタジー,吸血鬼


今や一つのジャンルとして扱われる”吸血鬼ロマンス”の代表的な作品『トワイライト』シリーズ一作目。アメリカの若者の間でブームとなり、映画も大ヒットしました。現代社会の学園を舞台にした、普通の女の子と吸血鬼の青年との甘く危険なロマンスで、はまる人はどっぷりとはまってしまうようです。 表紙のセンスがクール。

ファンタジーの傑作 Bartimaeus 三部作

The Amulet of Samarkand (Bartimaeus Trilogy)

 The Amulet of Samarkand (Bartimaeus Trilogy)

Jonathan Stroud (著) ; 総語数 約 123,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ファンタジー,魔法,策謀


魔術師たちが社会を支配している架空のイギリスを舞台にしたファンタジーの傑作『バーティミアス』三部作シリーズ。 主人公の少年と使い魔 Bartimaeus、それぞれの視点から交互に綴られていく物語のつくりが非常に巧妙。英語の難易度はハリーポッターよりやや高めです。特に、注釈部分まできっちり読み込もうと思うとかなり大変(汗)。 第1巻を気に入ったら是非ダイナミックな展開の3巻完結編まで読了を。


一般向け洋書小説のおすすめ

英語多読におすすめの洋書ペーパーバック

いわゆるペーパーバック、洋書の一般向け小説のおすすめ作品リストです。
ラブストーリーからコメディ、SF、ミステリー、ハードボイルドにチックリット*2のロマンス、歴史大河小説などなど、できるだけ幅広いジャンルで面白いと思える洋書タイトルを揃えてみました。
使われている英単語の幅が広がり、専門用語の多さから取っ付きにくいものも出てきますが、大抵は英語レベル的に若者向けの小説とそれほどの違いはありません。 読みやすい文章で書かれたものも多く、ニコラス・スパークスの作品などは、むしろハリー・ポッターなどよりも読みやすいはずです。

また、今現在アメリカではどんな本が売れていて人気なのかといったことに興味のある方は、月一で更新しているアメリカでの書籍ベストセラーランキングページもご覧になってみてください。毎回、人気シリーズの新刊が入っていますので、そういったシリーズを第1巻から読んでみるのも良いでしょう。

涙のラブストーリー A Walk to Remember

A Walk to Remember

 A Walk to Remember

Nicholas Sparks (著)  ; 総語数 約 48,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ラブストーリー,成長,感動,涙,青春


『The Notebook(きみに読む物語)』で有名なラブストーリーの大家 Nicholas Sparks の代表作品のひとつに挙げられる涙の純愛物語。 背景説明など最初のほうはやや進みづらいかもしれませんが、物語が動き出して盛り上がってくるのにつれ読みやすくなってきます。 読書を楽しむコツはひねくれた見方をせずに純粋に物語に入り込むこと。

e-mail形式のラブコメ The Boy Next Door

The Boy Next Door(ペーパーバック)

 The Boy Next Door

Meg Cabot (著) ; 総語数 約 80,000語

《 ジャンル、テーマ 》 チックリット,ロマンス,コメディ,e-mail


最初から最後まで e-mail 形式の文で書かれているメグ・キャボットの一般向けラブコメディ(&少しのサスペンス)。 行間を読むことと人物の把握が要求されるものの、ユーモアたっぷりの文章と区切りの良さでポンポンとページが進みます。面白い。 ほとんどは主要人物間でのおしゃべりのようなやりとりですが、英文 e-mail の書き方の参考にも少しはなるかもしれません。

女賞金稼ぎ Stephanie Plum シリーズ

One for the Money (Stephanie Plum #1)

 One for the Money (Stephanie Plum #1)

Janet Evanovich (著) : 総語数 約 81,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ミステリー,コメディ,ロマンス


20巻以上続刊が出ている女賞金稼ぎ Stephanie Plum シリーズの第1巻(1994年出版)。 生活に困り、ふとしたことから賞金稼ぎの仕事(裁判に出廷しなかった保釈中の人物を警察に引き渡す仕事)をすることになった主人公 Stephanie が繰り広げる、笑いどころいっぱいなコメディタッチのドタバタハードボイルド。タイトル中の数字が巻数も表していますが、シリーズのどの巻から手にとっても問題なく楽しめるはずです。

ハードボイルド魔法探偵 Dresden Files

Storm Front (Dresden Files)

 Storm Front (Dresden Files)

Jim Butcher (著) : 総語数 約 87,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ハードボイルド,ファンタジー,魔法,探偵,スリラー


現代のシカゴを舞台に、魔術や怪奇現象がらみのトラブル解決を請け負う”開業”魔法使い Harry Dresden が活躍する人気アーバンファンタジー『ドレスデン・ファイル』シリーズ。
プロの魔法使いとして探偵業を営む主人公のもとに警察から殺人事件捜査への協力要請が入り、マフィアとのいざこざなどもありつつ事件解決に走り回る・・・と、ハードボイルド小説にファンタジー要素を組み合わせたユニークな内容で、スピード感のある展開に魔法アクションも楽しめる異色な探偵ものに仕上がっています。

洋書コメディのおすすめ Shopaholic シリーズ

The Secret Dreamworld Of A Shopaholic

 The Secret Dreamworld Of A Shopaholic

Sophie Kinsella (著) ; 総語数 約 89,000語

《 ジャンル、テーマ 》 チックリット,コメディ,ショッピング


イギリスの人気作家 Sophie Kinsella の代表的なコメディシリーズの1作目。『お買いもの中毒な私!』という日本語タイトルで映画化もされています。前半はとにかくお買物中毒な主人公 Rebecca のダメダメぶりが続くので、ちょっと好き嫌いの別れるところかもしれません。後半からの反撃はお決まりの展開ですが、スカっと盛り上がって気分爽快。

ドタバタコメディ&ロマンス The Undomestic Goddess

The Undomestic Goddess

 The Undomestic Goddess

Sophie Kinsella (著)  ; 総語数 約 111,000語

《 ジャンル、テーマ 》 チックリット,コメディ,ロマンス


仕事で失敗し、お屋敷のメイドとして働くことになった弁護士の Samantha 。でも実は、彼女は家事がダメダメで・・・。
ちょっとした誤解から Samantha がメイドとして働くことになってしまうあたりからは、とにかく笑えるシーンの連続です。 ドタバタが好きな人にお薦め。 この手のコメディがお好みなら『I've Got Your Number』や『Remember Me?』をはじめ、Sophie Kinsella の作品はどれも面白いので、他のタイトルも楽しめると思います。

スラムドッグ$ミリオネア

Q & A: Slumdog Millionaire

 Q & A: Slumdog Millionaire

Vikas Swarup (著)  ; 総語数 約 8,9000語

《 ジャンル、テーマ 》 インド社会,ヒューマンドラマ,クイズ


スラム街で育った青年が、なぜ、クイズ番組で次々と難問に正解出来たのか? 答えは彼の歩んできた人生の中に・・・。 インド人外交官・作家 Vikas Swarup によるベストセラー小説。アカデミー賞受賞映画『スラムドッグ$ミリオネア』の原作ですが、設定は随分と違っています。 インドの人名などがやや読みづらいのが難点でしょうか。(邦題:ぼくと1ルピーの神様)

心温まる良書 The Shop on Blossom Street

The Shop on Blossom Street(ペーパーバック)

 The Shop on Blossom Street

Debbie Macomber (著) : 総語数 約 101,000語

《 ジャンル、テーマ 》 チックリット,ハートウォーミング,ロマンス


2度の癌闘病を経て毛糸店を開いた Lydia と編み物教室の生徒として集まった3人の女性。性格も環境も全く異なる4人のそれぞれの人生の喜怒哀楽と友情、恋愛を描いた、読後感の爽やかであたたかい良作です。4人の物語が交互に語られる形になっていて、ストーリー自体も英文も素直で読みやすい。女性向けの作品ではありますが、男女問わずにおすすめ。

本格SF(&ユーモア) The Martian

The Martian

 The Martian

Andy Weir (著) : 総語数 約 10,5000語

《 ジャンル、テーマ 》 SF,サバイバル,宇宙


探査ミッション中、事故で火星にたったひとり取り残された宇宙飛行士が、限られた物資と科学知識を駆使して生き残りをはかる。
無人島サバイバルの宇宙版と言えば想像しやすいでしょうか。宇宙人や超科学的要素などはありません。 設定と話の筋だけを見ると、リアリティー重視のハードSF・・・なのですが、主人公 Mark の底抜けに明るくユーモアあふれるキャラクターによって、笑いどころ満載、楽しく読み進められる内容になっています。とにかく主人公のユーモア精神が魅力なSF小説で、科学的な部分についていけなくても十分に面白い。 邦題『火星の人』(映画タイトル『オデッセイ』)。

大ベストセラー Where the Crawdads Sing

Where the Crawdads Sing

 Where the Crawdads Sing

Delia Owens (著) : 総語数 約 105,000語

《 ジャンル、テーマ 》 一般文芸,ミステリー,成長,ロマンス


1900年代中後半のノースカロライナ。家族崩壊から町外れの湿地帯でひとり暮す少女 Kya の成長と愛、そして町の青年の変死事件を巡るミステリーが織り交ぜられた大ベストセラー小説。Kya の幼少時代からの物語と事件の起こった現在の二つの時間軸が交互に描かれる形になっていて、やがて法廷サスペンス風の後半へ収束していきます。野生生物学者である著者による自然の描写も細やかで美しい。crawdad は”ザリガニ”を指す地域的な語ですが、タイトルの意味は読んで味わったほうが良いでしょう。洋書に慣れていないと訛り英語に苦戦するかもしれません。翻訳版のタイトルは『ザリガニの鳴くところ』。

リーガルサスペンス The Lincoln Lawyer

The Lincoln Lawyer

 The Lincoln Lawyer

Michael Connelly (著) ; 総語数 約 127,000語

《 ジャンル、テーマ 》 弁護士,法廷サスペンス,ミステリー


高級車リンカーンを事務所にしている弁護士が主人公のスリリングな法廷サスペンス。切れのある文章とストーリー展開で読ませます。法廷ものに慣れていないと、バンバン出てくる裁判・法律関係の難しい用語に壁を感じるかもしれませんが、逆に言えば、そういう分野の英語を覚えるのにお薦めの一冊。 作者の Michael Connelly は人気ハードボイルド小説『刑事ハリー・ボッシュ(Harry Bosch)』シリーズなどで知られています。

近代ホラー Phantoms

Phantoms

 Phantoms

Dean Koontz(著) : 総語数 約 133,000語

《 ジャンル、テーマ 》 ホラー,(ネタバレなので伏せます)


離れて暮らしていた妹を連れて山間の小さな町に戻ってきた主人公女医。しかし、町は不穏な静寂に包まれており、家々には異様な死体が・・・。
『Watcher』で有名なアメリカのモダンホラー作家クーンツの1983年の作品。前半、町の住人たちに何があったのか、何が起こっているのかわからないあたりは非常に不気味で引き込まれます。重要なはずの登場人物の尻すぼみな扱い方など、読み終わってみると色々不満点もあるものの、いかにもハリウッド映画的な最終対決まで勢い良く楽しめたのは確かです。
英語の難易度としては後半化学的な語が多く出てくるのが少し難しい。

ダヴィンチ・コード Robert Langdon シリーズ

Angels & Demons(Robert Langdon #2)

 Angels & Demons

Dan Brown (著) ; 総語数 約 155,000語

《 ジャンル、テーマ 》 スリラー,サスペンス,アクション,科学,宗教


世界的な大ヒットとなった『ダヴィンチ・コード』のロバート・ラングドンシリーズの第一作目『天使と悪魔』。 前半の科学的な説明が続くところは英単語の難易度が高く手強いものの、そこさえ乗り切ればあとはジェットコースター。スケールの大きさと息をもつかせぬ派手な展開でページを捲る手が止まりません。 ルネッサンスの美術やバチカンの教皇庁などに関する豊富な知識も英語で勉強できて一石二鳥。

SFラブストーリー Time Traveler's Wife

Time Traveler's Wife

 Time Traveler's Wife

Audrey Niffenegger (著) ; 総語数 約 155,000語

《 ジャンル、テーマ 》 タイムトラベル,ヒューマンドラマ,ラブストーリー


邦題『きみがぼくを見つけた日』。この本でのタイムトラベルは一般的なSFにあるようなものではなく、一種の”病気”という設定で、内容自体は主人公ふたりのラブストーリーです。 設定の斬新さなどから序盤は一気に引き込まれますが、あとはむしろ砂時計のように少しずつ淡々と物語が進んでゆくので、そのあたりはやや好みの別れるところでしょうか。

現代版モンテ・クリスト伯 A Prisoner of Birth

A Prisoner of Birth

 A Prisoner of Birth

Jeffrey Archer(著) : 総語数 約 169,000語

《 ジャンル、テーマ 》 一般文芸,サスペンス,法廷


イギリスのベストセラー作家 Jeffrey Archer による現代版『モンテ・クリスト伯』。物語は主人公 Danny の人生を急変させる事件をプロローグに法廷から開幕し、そして・・・。 ダイナミックに舞台を移しながら先へ先へと読ませる展開の小気味良さはさすがの一言。都合の良すぎる部分はいろいろとあるものの、娯楽作品として割りきれば申し分なく楽しめるでしょう。英文は読みやすく、一部の訛りや法廷用語もページを進める妨げにはあまりならないかと思います。邦題『誇りと復讐』。

長編大河小説の傑作 The Pillars of the Earth

The Pillars of the Earth

 The Pillars of the Earth

Ken Follett (著)  : 総語数 約 403,000語

《 ジャンル、テーマ 》 中世イギリス,大河小説,信仰,ロマンス,etc.


舞台は12世紀イングランド。大聖堂(cathedral)の建立を軸に、登場人物たちの波乱に満ちた人生模様がドラマティックに繰り広げられてゆく・・・。 邦題『大聖堂』。イギリスの人気作家 Ken Follett の代表的長編大河小説で、ドラマも話題になりました。 その分厚さやテーマから重厚で堅い印象を抱いてしまうかもしれませんが、実際は読者を飽きさせない娯楽大作。めまぐるしく物語が展開してゆくので、長さを意識することもなく読み進められます。 建築や教会関連の語句は難しいものの、英文自体は読みやすい。 注: 一部過激な描写が含まれています。



* 各書籍表紙画像は Amazon.co.jp の詳細ページへのリンクになっています。
ハードカバー、ペーパーバック、マスマーケット、Kindle版、出版社・発行年が異なるもの等々、大抵は、様々な版が並んでいますので、お好みでお選びください。

* 備考欄に添えていた読書情報サイト Goodreads(英語)による紹介ページへのリンク は外しました。お手数ですが Goodreads の検索欄に本のタイトルかISBNを入力してお探しください。
あらすじの紹介のほかに、ネイティブスピーカーのレビューが数多く寄せられているので、その本の情報を仕入れつつ、それらを読むこと自体が生きた英語の勉強、リーディング練習にもなります。

*1) 総語数は HMH Reading Counts - Book Expert OnlineSSS英語学習法の書評システムを元にしています。
*2) チックリット(chick lit)とは、主に20〜30代の女性をターゲットにした小説のこと。


海外の読書関連サイトは『海外の書評、読書情報サイト』ページ、日本語による洋書多読関連サイト・ブログは『多読のサイトリンク』ページにて、ここで挙げている以外にも多くのサイトを紹介しています。

ページ更新情報

  •  Delia Owens 著のベストセラー 『 Where the Crawdads Sing 』 を追加しました。
  •  おすすめ作品が増えるにつれリストがかなり長くなってきたので、ページを初級、中級、上級に区分けしました。一部重複していますがご容赦ください。
  •  Debbie Macomber 著 『 The Shop on Blossom Street 』 を追加しました。
  •  Dean Koontz 著 『 Phantoms 』 を追加しました。
  •  Janet Evanovich 著 『 One for the Money (Stephanie Plum #1) 』 を追加しました。
  •  Jeffrey Archer 著 『 A Prisoner of Birth 』 を追加しました。
  •  洋書多読リンクに 『 翻訳ミステリー大賞シンジケート 』 を追加しました。
  •  Andy Weir 著『 The Martian 』 を追加しました。
  •  Jim Butcher 著『 Storm Front (The Dresden Files) 』 を追加しました。