難易度別おすすめ洋書リスト 海外ファンタジー編
子供から大人まで幅広く人気の高いジャンルである『ファンタジー小説』の洋書の名作、おすすめタイトル(剣と魔法の冒険譚中心)をレベル別に並べてみました。実際に読んだものはあらすじや感想などを添えて、そうでないものは軽い紹介程度のコメントをつけてあります。
ファンタジーは使われる言葉が独特なので、日常生活の英語の勉強として適しているジャンルとは言い難いのですが、とにかく物語を読んで楽しめれば学習効果は後からついてくるもの。多読で読む本を探す際のひとつの参考としてご利用ください。
初級
ネイティブスピーカーの子供向けに書かれた、章仕立てで総語数10000語未満のやさしい児童書たちです。
Ruth Stiles Gannett(著) : 総語数 約 7,400語 《 ジャンル、テーマ 》 童話,冒険,動物 動物たちに捕まっているかわいそうな赤ちゃんドラゴンの話をのら猫から聞いた少年 Elmer は、ドラゴンを助け出すための冒険へと出かけることに・・・。 『エルマーのぼうけん』のタイトルで知られる名作児童書(1951年出版)全3巻の第1巻。 Elmer の子供が父の幼い頃の冒険を語るという形で書かれています。 語数に比べてやや英語が難しいでしょうか。この本はすでに著作権が切れているので、プロジェクト・グーテンベルクなどで無料公開もされています。 |
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Jill Murphy (著) ; 総語数 約9,400語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,魔女,魔法,学園 何をやっても失敗ばかりの落ちこぼれ生徒 Mildred の魔女学校での生活と騒動を描くシリーズ。 話がおもいっきり簡単に片付きすぎな気もしますが、子ども向けなのでしかたのないところでしょう。 ハリー・ポッターが好きで原書を読んでみたいけれど分厚いし英語が難しくて・・・という人は、入門としてこちらや後述の Dragon Slayers' Academy などを試してみては。 |
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Beast Quest: Ferno the Fire Dragon Adam Blade (著) : 総語数 約 10,000語《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険 初心者ロールプレイングゲームといった印象の、子ども向け剣と魔法の正統派冒険ファンタジー『ビースト・クエスト』シリーズ。 |
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The New Kid at School(Dragon Slayers' Academy #1) Kate McMullan (著) : 総語数 約 10,000語《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険,学校,ユーモア 吟遊詩人からドラゴンや英雄の話を聞いたひ弱な少年 Wiglaf は、竜退治の戦士を育てる学校へ入ることに・・・。 学園生活&冒険でハリー・ポッターの低年齢層版といった印象の Dragon Slayers' Academy シリーズ第1巻。クライマックスでいかにも子ども向けらしいほんわかユーモア(?)がとび出してきます。そのあたりに馴染めるなら、ストーリー運びや会話はテンポよく面白いので楽しめるはず。 |
初級〜中級
初級に比べると結構読み応えの出てくる児童書たち。その分、大人でもそろそろストーリーを楽しめるようにもなってきます。
Flight of the Phoenix (Nathaniel Fludd, Beastologist #1) R. L. Lafevers (著), Kelly Murphy (絵) : 総語数 約 18,000語《 ジャンル、テーマ 》 冒険,動物(幻獣),成長 両親が行方不明となり、叔母のもとで暮らすことになった Nathaniel は、自分たちが神話や伝説とされる生物たちを研究保護する beastologist の家系だと知らされ、そして翌日、フェニックスの孵化を見守るため小型飛行機でアラビアへ・・・。 ちょっと気弱で優しい10歳の少年 Nathaniel が、いきなり冒険に連れ出されて、戸惑いながらもピンチを切り抜けていく冒険ファンタジー『見習い幻獣学者ナサニエル・フラッドの冒険』シリーズ。 魔法はありませんが、RPGなどでお馴染みの生き物が出てきます。 |
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The Forests of Silence (Deltora Quest #1) Emily Rodda (著) : 総語数 約 27,000語《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険,謎解き 全8巻で一つの物語になっている子ども向け人気王道ファンタジー小説。日本でもアニメやマンガになりました。ちょっと謎解きに傾き気味ですが、RPGのシナリオを読んでいるかのようなテンポのよさと工夫されたトリックで、子供向けと言いつつも読み始めると止まらなくなるかも。 独特な表紙イラストには目をつむりましょう。 |
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Emily Rodda (著) : 総語数 約 3,3000語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険,謎解き Rin という小さな村に暮らす臆病な少年 Rowan の冒険と成長を描いた Deltora Quest の著者による子供向けファンタジー小説の良書。デルトラよりもほんの少し対象年齢が高いようで、内容や描写がやや濃くなってる印象。同じくテンポの良いハラハラドキドキの展開が待ち構えています。シリーズものですが1巻でもほぼ完結しているので、一冊だけ読むならこちらがおすすめです。 |
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E. D. Baker (著) : 総語数 約 48,000語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,魔法,おとぎ話 自分は呪いをかけられた王子だと言うカエルにキスをしてあげたお姫様・・・なんと、自分までカエルの姿に。 まるでディズニーアニメを見ているかのような楽しくスリリングなストーリーで、実際に『The Princess and the Frog』として、ディズニーでアニメ映画化もされています。女の子向けの明るい冒険ファンタジー。 |
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Gail Carson Levine (著) : 総語数 約 5,3000語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,おとぎ話, ロマンス, 妖精 ニューベリー賞受賞作。 生まれてすぐ、妖精に”従順”の魔法をかけられ、命令されればどんなことでも従わなければならないヒロイン Ella の冒険物語。シンデレラをモチーフとして、Ella の試練と冒険、ロマンスがぎっしり詰まったストーリーは、次から次へとハラハラドキドキの連続で最後まで読者を飽きさせません。同じ作者の他2作を含めたBOXセットもあって、こちらもおすすめです。 |
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The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia #1) C.S. Lewis (著) : 総語数 約 36,000語《 ジャンル、テーマ 》 古典,児童書,冒険 映画でも人気。世界的に有名な名作児童書ファンタジー『ナルニア国物語(Chronicles of Narnia)』シリーズの第1巻。 個人的には、最初こそドキドキ感があるものの、あとはあまり馴染めなかったので、1巻目だけで止まってしまいました。全部読んでいけば面白さがわかるのかもしれませんが・・・。 インターネット図書館 Project Gutenberg のカナダ版では無料で読むことができます。(「Lewis, C. S.」でページ内検索) |
中級
ハリーポッターをはじめとした、小学校高学年から中学生・高校生向けのファンタジー小説。児童書でもかなり読み応えがあり、総語数や英文の難易度は一般書とそれほど変わりはありません。
Harry Potter and the Philosopher's Stone J.K. Rowling (著) : 総語数 約 77,000語《 ジャンル、テーマ 》 児童書,魔法,冒険,ミステリー ご存知、世界的大ヒット『ハリー・ポッター』シリーズの第一巻。 |
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Michael Ende (著) : 総語数 約 116,000語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険,成長 いじめっ子に追われる少年 Bastian が、本屋で見つけた一冊の本 The Neverending Story 。 それは読む者を物語の世界へと引き込んでしまう不思議な本だった...。 ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの名作ファンタジー小説(邦題『はてしない物語』)。 主題歌が今でも人気な映画『ネバーエンディングストーリー』の原作ですが、映画はこの本の前半部分のみを扱ったものです。 もとはドイツ語なので、その英語翻訳版ということになります。 |
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The Golden Compass (His Dark Materials #1) Philip Pullman (著) : 総語数 約 116,000語《 ジャンル、テーマ 》 児童書,冒険,異世界 『ライラの冒険』として知られる世界的ベストセラー His Dark Materials 三部作シリーズの第1巻。映画にもなりました。 児童書ではありますが、スケールの大きさや世界観など、むしろ大人が読んだほうが楽しめる内容かもしれまんせん。 価格的には三部作BOXセットの Kindle 版がお得。 |
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Diana Wynne Jones(著) ; 総語数 約 75,000語 《 ジャンル、テーマ 》 児童書,魔法,ロマンス スタジオ・ジブリの宮崎駿アニメ『ハウルの動く城』の原作となったイギリスの名作ファンタジー。 でも、ストーリーはかなり違っています。 カカシなど、アニメでは意味不明な部分が気になる人は、伏線や謎解きもきっちりまとめられていて読後感すっきりなこちらの原書をぜひ。 少々入り組んだお話も、アニメを思い浮かべながら読めば入りやすいはずです。 |
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The Amulet Of Samarkand (The Bartimaeus Trilogy #1) Jonathan Stroud (著) ; 総語数 約 123,000語《 ジャンル、テーマ 》 魔法,策謀 魔術師たちが社会を支配している架空のイギリスを舞台にしたファンタジーの傑作『バーティミアス』三部作シリーズ。 主人公の少年と使い魔 Bartimaeus、それぞれの視点から交互に綴られていく物語のつくりが非常に巧妙でどんどん引き込まれます。 皮肉屋の Bartimaeus のキャラクターが味なのですが、独り言注釈部分まできっちり読み込もうと思うとかなり大変(汗)。 1巻を気に入ったら是非ダイナミックな展開の3巻完結編まで読了を。 |
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Christopher Paolini (著) : 総語数 約 158,000語 《 ジャンル、テーマ 》 冒険,剣と魔法,ドラゴン 偶然ドラゴンの卵を手に入れた少年 Eragon は、卵から生まれたドラゴンとともに、戦いと魔法と権謀の渦巻く冒険の世界へ足を踏み入れることに。 映画『エラゴン』の原作シリーズ。 本は分厚いものの英文は素直で読みやすい。 スターウォーズのファンタジー版などといった評価もありますが、剣と魔法のロールプレイングゲームでお馴染みの要素が詰まった英雄譚という感じで楽しめます。 |
中級〜上級
重厚でしっかりと読み応えのある古典名作や本格派の長編シリーズ大作など。特に『指輪物語』や『ゲド戦記』といった古い作品は、細かい背景説明や描写などが綿密に描かれていて展開が遅いので、ある程度の根気や忍耐力が必要になってきます。
A Wizard of Earthsea (Earthsea #1) Ursula K. Le Guin (著)《 ジャンル、テーマ 》 魔法,冒険 少年 Ged(Sparrowhawk) が魔法使いとなり、自ら呼び出してしまった影と対峙する試練を描いた第1巻から、Ged を絡めて主人公を移しつつ、舞台となる世界 Earthsea での様々な物語が描かれる。 『ゲド戦記』として知られる古典名作ファンタジー Earthsea シリーズ(第1巻 1968年出版)。 スタジオジブリのアニメにもなりました。 |
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The Fellowship of the Ring (The Lord of the Rings #1) J. R. R. Tolkien (著)《 ジャンル、テーマ 》 古典,魔法,冒険 言わずと知れたファンタジーの金字塔『指輪物語』(映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作)。 1954年出版の古典名作だけに非常に多くの版が出版されているのはもちろん、全巻セットも揃っています。 本編に入る前の背景説明だけでもかなり長いのでじっくりと腰を落ち着けてどうぞ。 |
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Dragons of Autumn Twilight (Dragonlance #1) Margaret Weis, Tracy Hickman (著)《 ジャンル、テーマ 》 冒険,剣と魔法 昔流行したTRPG『Dungeons & Dragons』から生まれたアメリカの傑作シリーズ『ドラゴンランス』の第1巻(1984年出版)。 エルフやドワーフにゴブリンからドラゴンまで、ファンタジーRPGでお馴染みの住人達が暮らす世界を舞台に、主人公一行が冒険を繰り広げる、まさに王道といった剣と魔法の冒険物語です。形式張っていないので話の展開が早く読み易い。 |
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The Belgariad (#1 Pawn of Prophecy ) David Eddings (著)《 ジャンル、テーマ 》 冒険,剣と魔法 個性豊かななキャラクターとセリフが魅力的な正統派王道ヒロイックファンタジー『ベルガリアード物語(1982〜1984年。 詳しくは ⇒ ベルガリアード物語 - Wikipedia)』。 全5巻の構成となっています。 本編は読み進めやすいものの、序章の神話や民族設定を把握するのがなかなか大変かも知れません。 |
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A Game of Thrones (Song of Ice and Fire #1) George R. R. Martin (著)《 ジャンル、テーマ 》 戦記 日本でも『氷と炎の歌』のタイトルで有名な群雄割拠の本格戦記ものシリーズ。 架空の大陸 Westeros の七つの大国を舞台に、王座を巡っての争いが多彩な登場人物たちによって繰り広げられる。 1996年出版で現在(2013年)も刊行中。詳しくは ⇒ 氷と炎の歌 - Wikipedia |
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The Eye of the World (Wheel of Time #1) Robert Jordan (著)《 ジャンル、テーマ 》 冒険 壮大なスケールの人気長編ファンタジー大作 The Wheel of Time(時の車輪) シリーズの第1巻(日本では『竜王伝説』のタイトルで刊行されていて『聖竜戦記』へと続く。詳しくは ⇒ 時の車輪 - Wikipedia)。 1990年第1巻から2007年第11巻出版。 著者の死後、残された原稿などをもとに2013年の第13巻で完結されました。 |
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表紙デザインの好みや本のサイズなどから、主にペーパーバック版を選んでいますので、ハードカバー版や価格的にお得なマスマーケット版、Kindle版など、他のバージョンをお望みの場合は、リンク先ページのフォーマット欄からご確認ください。
*1) 総語数は Scholastic.com の Scholastic Reading Counts や SSS英語学習法の書評システムを元にしています。
多読・読書情報サイトリンク
- SSS推薦・多読用基本洋書のご紹介 SSS英語学習法研究会の多読向け洋書紹介。語彙レベル別に、GRや絵本からハリーポッターくらいまでの必読書が紹介されています。
《 海外のサイト 》
- Goodreads いろいろな人たちのおすすめペーパーバックや、人気の本、新刊のレビューなどが紹介されているお役立ち読書情報サイト。
- Fantasy Literature ファンタジー小説専門の情報・レビューサイト。様々な洋書ファンタジーが紹介されています。新刊情報や作家別作品紹介などもあり。
- The Fantasy Books おすすめファンタジー小説のベスト25リストをはじめ、詳細なカテゴリー別にファンタジー作品が紹介されています。
- Books Like Harry Potter | Brightly 子供向けの書籍の紹介・販売サイト。 ハリー・ポッターが好きな人には、これもオススメ! という本が紹介されています。
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